ジムニーに最適なトラクションデバイスは?デフロック?LSD?

ジムニーに最適なトラクションデバイスは?デフロック?LSD?

クロカン・廃道・トライアルのような難所系オフロードを攻めるジムニー乗りが求めるものは何よりも「走破性」だと思います。

そして「走破性」を向上させるために必要なのはタイヤがしっかり地面を蹴って駆動を伝えることが出来なければなりません。

今回紹介するトラクションデバイスによって駆動をコントロールさせることが可能となり飛躍的に「走破性」の向上が見込めるパーツとなります。
★2019年9月 項目追加「電磁式デフロック」
★2020年4月 一部編集
★2023年10月 一部編集


トラクションデバイスとは

車は曲がる際に内側と外側のタイヤでは走る距離が違います。良い例えかわかりませんがコンパスにタイヤを付けたと考えてみて下さい。

この内側と外側の回転差はデファレンシャルギア(差動歯車装置)によって曲がりやすくなるようにコントロールしています

この回転差を少なくする、または無くす作用をさせるパーツがトラクションデバイスといいます。

作動歯車装置図解

出典:差動歯車装置(さどうはぐるまそうち)とは – コトバンク

トラクションデバイスがないとどうなるか

ジムニーでクロカン走行をするとサスペンションのストローク不足でタイヤが浮いてしまう場面があります。

そうするとタイヤへの抵抗がなくなるのでデファレンシャルギアの構造上、接地していないタイヤにだけ駆動を伝えるようになります(雪上のような滑りやすい路面でも同じことが言えます)。

そのような路面状態でトラクションデバイスを装着していない場合、空回りして前に進まずスタック状態に陥ります。

走破性を求めるなら必須パーツ

トラクションデバイスが必要となるのは転倒も恐れない走破性を求めるユーザーにおすすめするパーツです。

特にジムニーには様々な種類のトラクションデバイスがあるので、走行するシーンにマッチしたデバイスを選択することで、さらに走破性の高いジムニーとなります。

⇒初心者はオープンデフから

トラクションデバイスが装着されていない車両のことを「オープンデフ」といいます。初心者はまずオープンデフである程度のクロカン走行を経験してからトラクションデバイスの装着をおすすめします。

なぜなら、トラクションデバイスの装着によりどんな状態でも駆動を伝え続けるため、危険な状態になっても初心者はわからず進んでしまい転倒・事故に繋がってしまうからです。


LSD

トラクションデバイスの中でも最もメジャーといってもいいLSD(リミテッド・スリップ・デフ)は、数多くの方式・機構が存在します。

セッティングも可能でイニシャルトルク・作動速度などを細かく自分好みに変えることが出来ます。ハイスピード系を意識した車作りや普段使いを考えるならLSDは強い味方になってくれるでしょう。

LSDの装着でネックとなるのは費用面です。パーツ代だけで10万前後の出費が必要なだけでなく、高価なLSD専用のデフオイルも必要となるので、それなりの出費は覚悟しなければなりません。なるべく安くジムニーで遊びたい方には不向きです。

ファイナルLSDフロント用/リア用

ファイナルLSD

ショップ:オフロードサービスタニグチ

¥146,000(税抜)

  • JB64・74用
  • プレッシャーリングを閉じる方向にセットしたスプリングにより、低負荷時のチャタリング音をほぼ無音にすることに成功
  • さらに、ジムニー用LSDとしては最多の10組20枚(フロント用は8組16枚)のクラッチディスクにより、 ヘリカルLSDのような自然なトルク配分と、ドライバーの操作にリンクした強烈なトラクションの両立に成功
  • 特にフロント用は、ステアリングが重くならないという、今までのトラクションデバイスでは考えられない仕上がりを実現
  • LSDオイルへの攻撃性が少なく、さらに、非分解15万km走破(※)という長寿命な点も特徴。専用デフオイル推奨
  • フロント用:プレッシャーリングがスプリングの力で閉じる」という構造のため、1.1wayはもちろん2wayでもキックバックがほとんどなく、違和感のない操作が可能
  • リア用:幅広くマルチに使える「オンロード用」と、よりアグレッシブに走りたい人に向けた「オフロード用」の2種類を用意。なお、AT車ユーザーや渋い走りが信条の人には「オンロード用」がお勧め!!

 

G-TRAC SPORTS L.S.D. (リア用)

G-TRAC SPORTS L.S.D. (リア用)

ショップ:アピオ

¥118,000(税抜)

  • 適 合:スズキジムニー JB23,JB33,JB43 用
  • 品 番:6001-7R
  • カム角:35度
  • ※横滑り防止装置搭載車には装着できませんのでJB43は一部装着ができない車両がございます。
  • ワインディングから高速ダート、ハイウェイをよりスポーティに走るために生まれた超低イニシャルトルクの次世代LSD「G-TRAC SPORTS」新登場!
  • コーナーリング中にイン側タイヤの空転を抑え、ジムニーのパワーをロスなく両輪でしっかりと路面につたえ、スポーティかつ安定したトラクション走行ができます。いままでLSD装着によるスポーツ走行をあきらめていたAT車への装着の夢が実現!

デフ玉ロック

とにかく「走破性」を上げたいというジムニー乗りにおすすめしたいのがこのデフ玉ロックです。

装着する事で常時デフロック状態となるのでクロカン・オフロードでは心強いトラクションデバイスとなります。パーツ自体が手頃な価格帯ということもあり多くのジムニー乗りから支持を得ています。

オープンデフでは走破できないラインも走ることが出来たり、デフロックだからこそできるドライビングテクニックも多くあります。

難点は常時デフロック状態ということで街乗りではクセのある挙動となりますので、慣れるまでは慎重な運転が必要です。

デフ玉ロック

デフ玉ロック

ショップ:4x4エスポワール

¥13,889(税抜)

  • ジムニーSJ10/30/30.JA71用 小タイプ
  • ジムニーJA11/51/12/22.JB23/33/43用 大タイプ 廃盤
  • リアのデフケースに入れてピニオンシャフトで、差し込むことで左右輪をデフロック状態にします。
  • 片輪が浮き上がっても走行可能ですので、クロカン走行での最強の味方となります。
  • デフ玉ロック取付概要について
    デフ玉取付方法
     ※ブレーキホースの脱着等が必要となるため作業は有資格者にてお願いします。

エアロッカー

エアロッカーはジムニーのトラクションデバイスの中で唯一、車内から作動のオン/オフ切り替えが可能で、スイッチ1つでデフロック状態にすることができます。

通常走行時はスイッチを切ってオープンデフ状態に切り替えができるので普段は快適に走行できます。クロカン・難所系オフロードがメインステージのジムニー乗りにとっては最強のデバイスです。

LSDと同様にパーツ代が高く有名メーカーのエアロッカーは特に高額となります。組み付けが悪い場合などは作動不良を起こす事もあり信頼性・確実性を重視するユーザーにとっては好みが分かれるパーツでもあります。

ARB製エアロッカー

ジムニー JB23/JB43/JB33 エアロッカー ARB製

ショップ:J-STYLE(Yahooショッピング)

¥138,000(税抜)

  • 高精度、高強度な本家エアロッカー
  • スイッチのオンオフで、デフのオープン、ロックの切り替えが可能な究極のデバイス
  • 別途コンプレッサーが必要

 

ファームロッカーⅡ

 

ファームロッカーⅡ

ショップ:モーターファーム

¥96,000(税抜)

  • JA11・JA12・JA51/JB23・JB31・JB32・JB33・JB43用
  • エア作動式マニュアルデフロック装置「ファームロッカー」
  • スイッチON/OFFでデフロックと解除が可能です!
  • オフロードでのデフロックの優位性は言うまでも有りません。
  • 街乗り時の不便さ、タイヤがすぐ減る、カーブが曲がりにくい、雨の日に滑る等の理由から溶接デフロックやデフロック玉の装着をためらわれるというお声を多く頂いていました
  • そこで開発されたのが、必要な時だけデフロックが出来る、「ファームロッカー」です。
  • ファームロッカーのクラッチをアウターに変更しシールハウジングのOリングの消耗やエア漏れのリスクを減らした新設計のロッキングデバイス
  • 専用コンプレッサー(FL00)と組み合わせて使用。作動が早く競技に最適。

電磁式デフロック

ここ数年で徐々に装着するジムニーが増えてきている電磁式デフロックは電気版エアロッカーと思ってもらえば良いと思います。

エアロッカーの場合は作動させるためにコンプレッサーやエアタンクを搭載する必要がありますが、電磁式デフロックなら配線さえ繋いでしまえば作動させることが出来ます。

エアロッカーを装着するつもりなら電磁式も検討してほしいトラクションデバイスのひとつです。

まだまだパーツ自体の情報が少なく耐久性への不安は残りますが、アフターサポートについても安心できる環境が整えばおすすめできるトラクションデバイスとなるでしょう

電磁デフロックLSD リヤ

電磁デフロックLSD リヤ

ショップ:JCR

¥105,000(税抜)

  • 純正のオープンデフではクロカン、オフロードの走破性が悪くかといってデフロックでは普段乗りが乗り辛くタイヤの減りも早い、LSDも良いけどここ一発と言う時に方輪が浮いてしまうと駆動が伝わらない
  • そんな方に、LSD+デフロック一体構造のデファレンシャルを開発しました。
  • 通常走行ではトルセン式LSDでスイッチONでデフロックになります。
  • 作動に関してエアーロッカーのようにコンプレッサーも要りません
  • 12V2A電源に配線するだけでロック機構がご使用頂けます。
  • ★対象車両: JA11 JA12 JA22 JB23 JB43 JB33 JB64
  • ★リアデフ、リングギヤボルト10本、26スプライン
  • ★取り付けに必要品付属:配線、スイッチ、ドリルキリ、タップ他
  • デフロックのスイッチは停車時に行ってください。
  • 前進後進の際に作動ラグがあります。

カイザーロッカー・EZロッカー

アクセルのオン/オフによってデフロックの作動をコントロール出来る機構を持ったトラクションデバイスです。

駆動が必要なアクセルオン時だけデフロック状態となり、アクセルオフ時はオープンデフと同じ状態で走行することが出来るのでタイヤの摩耗も少なく済むので扱い易いデバイスです。

ジムニー用ではロックライト・EZロッカーと様々な商品がありますがこれらも基本的に同じ方式です。

決して安いとは言えない価格帯かもしれませんが本格的にジムニーのトライアル競技・ロッククローリングにエントリーするなら導入する価値はあると思います。

カイザーロッカー

カイザーロッカー

ショップ:津田レーシング

¥128,000(税抜)

  • 津田レーシングが世界に先駆けてKaiser Lockerの日本、アメリカ総代理店を取得
  • Kaiser Locker社は長年にわたって農機具や重機の駆動部品を手がけ、そのノウハウを生かし全く新しいトラクションデバイスを開発
  • 構造は至ってシンプルながら、エアーや電気を一切必要としない完全オートで100パーセントロックを実現
  • 駆動入力が入った瞬間にスムーズに100パーセントデフロックになり、駆動が無くなった瞬間にフリーになる
  • 構造が単純なので故障しにくく、長持ちします。
  • このデフの最大の特徴は、旋回時にトラクションが失われた場合、コーナーの外側の駆動が内側よりも早く回転する点
  • それでいて、駆動は100パーセントタイヤに伝えられます。このことにより、従来のデフロックではタイヤが引きずってうまく回転できなかった
  • ところが、スムーズに回転できるのです。全く新しいオフロード走行に最適なトラクションデバイスと言えます
  • 1年間の保証付きで、保証期限が切れても弊社にて修理、分解、オーバーホールが可能です。
  • 22スプライン8穴用。(JA11,JB23前期,JB33,JB43前期)

 

FARM EZロッカー

FARM EZロッカー

ショップ:モーターファーム

¥56,700(税抜)

  • デフロックの究極デバイス!
  • アクセルオンでデフロックになり、アクセルオフでオープンデフになります。
  • LSDより確実にロックし、アクセルオフ時は引きずりもなく扱いやすいので、タイヤの消耗もオープンデフとほとんど変わりません。 
  • アクセル操作だけで、デフロック・オープンをコントロールできる簡単操作が魅力です。
  • 専用サイドギア付きなので、純正サイドギアは使用しません。
  • リア用/JA11・12・22 / JB31・32・23・33・43

溶接デフロック

知識と道具さえあればもっとも安価なトラクションデバイスです。道なき道を攻めるベテランのジムニー乗りにはお馴染みの手法でもあります。

溶接の仕上がりによっては割れが発生てしまったり、ギアがひずんでしまう可能性があるため、今では少数派のトラクションデバイスのひとつとなりました。

しかし、費用対効果で考えると溶接デフロックはトラクションデバイスのなかではダントツにお金をかけずに走破性の向上ができるパーツです。

溶接デフロック

参考:溶接デフロック – 好きなこと日記


結局どれが最適なの?

6種類のジムニー用トラクションデバイスを紹介しましたが、種類の多さに驚かれたのではないでしょうか。使用用途であったり価格面を考えると一概にどれが最適とは言えないのが難しいところです。

もし費用面に余裕があるなら切替可能なエアロッカーや電磁ロッカー。なるべく安く走破性を向上させたいならデフ玉ロック、溶接デフロックがおすすめできます。

トラクションデバイスの他に走破性アップに貢献するパーツがトランスファーダウンギアです。正しく理解しておかないと装着する必要性に悩むパーツでもあります。

メリットと必要性について記事にしていますので気になる方はぜひチェックしてみて下さい!

ジムニーにトランスファーダウンギアを装着するメリットと必要性

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