ジムニーのカスタムパーツの中でも、ひときわ強い存在感を放つアウターロールケージ。
しかし、その役割やメリット・デメリットを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?、今回はジムニー用のアウターロールケージについて詳しく掘り下げていきます!
目次 |
アウターロールケージとは
まずはアウターロールケージとは何かを知ってもらいたいと思います。
ジムニー以外ではほとんど装着されることを見かけない特殊なパーツです。どんな目的で装着されるのでしょうか?
ボディの保護が目的
アウターロールケージはボディ保護を目的に装着されます。ハードなクロカンやロックエリアを走行するジムニーは大きく傾いた車体を地面に擦りながら(支えながら)進む場面も珍しくありません。立木にもたれかかるような場面も多くあります。
アウターロールケージがなければボディへのダメージは避けられません。ピラーが変形しドアの開閉が困難になることも。最悪の場合、フロントガラスが割れてしまう可能性もあります。
極低速で走行するクロカンやロック系のジャンルでは危険な横転が少ないため、ボディ保護を優先してアウターロールケージを装着するケースが多いです。
アウターロールケージを擦りながらV字を走り抜けるジムニー 画像:CARTUNE
ロールケージとの違い
主にボディの保護を目的に装着されるアウターロールケージに対し、車内に装着されるロールケージは乗員保護を目的としています。
横転時にはルーフが押し潰される力が加わり、非常に危険な状態となりますがロールケージを装着していればその危険性は大幅に下がります。
特に装着されることが多いのは横転が頻繁に発生するトライアルや、横転時のダメージが大きいダートレースです。
また、モノコック構造の車種(ジムニーはフレーム構造)ではボディ剛性の向上を目的として装着されることもあります。
”乗員の保護”を目的とするロールケージ
アウターとインナーを連結する方法
アウターロールケージはボディ保護を目的として作られているため、車内に装着されるインナーロールケージと比べると、転倒などの大きな衝撃には弱い場面があります。
そこで有効なのが、アウターロールケージをインナーロールケージに連結させる方法です。既製品の中には、オプションとして専用のインナーロールケージを用意しているものもあります。
画像:J’s工房
メリット
アウターロールケージの最大のメリットはボディ保護であることは一目瞭然ですが、それ以外にはどんなメリットがあるのでしょうか?
ドレスアップ効果
アウターロールケージはボディ保護の役割だけでなく、ジムニーの四駆らしさを高めるパーツでもあります。
過去に製作した4×4エスポワールのデモカー(下画像)では、ボディ保護だけでなくドレスアップ効果を強く意識したアウターロールケージを製作しました。フロントバンパーと一体化させ、ボンネットを貫通するレイアウトにすることで唯一無二のスタイルを手に入れました。
ここまでしなくてもアウターロールケージのインパクトは十分に強く、ドレスアップ効果を狙うカスタムとして取り入れるのも一つの選択肢です。

荷物を載せることもできる
イレギュラーな使用方法ではありますが、アウターロールケージに荷物を載せることも可能です。
アウターロールケージに直接荷物を載せる方法もあれば、ルーフキャリアを装着して荷物を載せる方法もあります。
ボディの保護性能は低下しますが、見た目と実用性を両立できるため、個性的なルーフキャリアの固定方法として取り入れるのも面白いかもしれません。
車内スペースを犠牲にしない
車内に装着するロールケージと比較した場合、明らかにアウターロールケージが優れている点は車内の快適性です。
ロールケージは車内にパイプを張り巡らせるため、乗降性やペダル操作性が犠牲になり、広いとはいえないジムニーの車内の快適性をさらに低下させてしまいます。
一方、アウターロールケージであれば車外に取り付けるため、車内のスペースを犠牲にすることなく使用できます。

デメリット
ジムニーのボディを保護するアウターロールケージにはどんなデメリットがあるのでしょう?
クロカンでは心強いアイテムであることに間違いありませんが、導入を検討するにあたってネガティブな面についても理解しておく必要があります。
重心が高くなる
ジムニーの市販品のアウターロールケージの重量は大体25kg前後です。車体上部にこれだけの重量が集まると、必然的に重心が高くなることは避けられません。
重心が高くなることによる具体的な弊害として、高速走行やワインディングでのフラつきやすさが挙げられます。また、本末転倒かもしれませんがオフロードでは転倒リスクも高まります。
実際に転倒リスクが高いジムニーの4×4トライアル競技では、高重心化を避けるためにアウターロールケージが装着されている車両をほぼ見かけません。
クルマの挙動に変化を与えるぐらいアウターロールケージは重心が高くなってしまうことを理解しておきましょう。

既製品が少ない
ジムニー用のアウターロールケージをラインナップしているのは、RV4ワイルドグースとJ’s工房の2社です。
J’s工房はJA11系のみのラインナップ。一方、RV4ワイルドグースは現行のJB64/74用、先代のJB23/33/43用、先々代のJA11用と3世代に渡ってラインナップしています。
しかし、豊富にラインナップされている足回りやバンパーと比較すると、アウターロールケージの既製品は少ないのが現状。ユーザー目線では、選択肢がほとんどないといっても過言ではありません。
既製品で理想とする形状がなかったり、より強度を求める場合にはアウターロールケージのワンオフ品を製作する選択肢もあります。

軽ジムニーは車検がネック
まず、アウターロールケージは装着状態のままでも車検に通ります。ただし、軽規格と普通車規格のジムニーでは、車検の条件が異なる点に注意が必要です。
普通車規格にはサイズの制限がないため、比較的条件は緩やかです。一方、軽規格はサイズ制限があり、アウターロールケージが軽規格を超えてはみ出してしまうと普通車規格に構造変更する必要があります。
既製品は軽規格内に収まる形状にレイアウトされていますが、ワンオフ品を製作する場合にはサイズに注意しておく必要があるでしょう。
必要性はどう判断する?
ジムニーのアウターロールケージがどんなものなのかおわかりいただけたと思います。
アウターロールケージの必要性を判断するにあたって、第一に基準となるのはオフロードを走るかどうかです。ボディが損傷するリスクがある難易度の高い地形を走るなら必要性は高いです。逆にオンロードしか走らないのであれば必要性は低いと判断できます。
しかし、アウターロールケージはドレスアップ効果も高いため、最終的にはオーナー自身がどんなスタイルを求めているかが重要です。
4×4エスポワールではアウターロールケージなどのガード類についての必要性を判断できます。装着しようかどうか悩んでいたり、取付についてお困りでしたらお気軽にご相談ください!
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