ジムニーカスタムを進めていくにあたって車検は切っても切れない関係です。
中でも王道のリフトアップスタイルで車検に対応しようとするなら、今回取り上げる「直前側方視界基準」を満たさなければなりません。
新型ジムニーJB64/74だけでなく先代ジムニーJB23の一部の型式でも直前側方視界基準が検査対象となり対策が必要になる場合があります。
これからリフトアップを検討している方や、既にリフトアップしているけど何も対策をしていないという方は要チェックです!
直前側方視界基準とは?
2007年(平成19年)1月1日以降に製造された車両から適用される基準で、正しくは直前直左確認鏡の技術基準と言います。ザックリ言うと「運転席からの視界を確保するためのルール」です。
ジムニーで対象になるのはJB23-6型の途中以降と現行のジムニーJB64/74が対象となります。
リフトアップするとどうしても死角が増えてしまうワケですが、直前側方視界基準で検査されるポイントは以下の図のように車両直近の視界です。
実際の車検場でもリフトアップ車両など車高の高い車は図の通りの高さ1m、直径0.3mのポールをジムニーの周りに置いて検査されます。
あと、呼び方について直前直左視界基準や前方側方視界基準など似たような言葉がありますが指していることは同じです。
リフトアップはできない?
直前側方視界基準の対策さえすればリフトアップはできるので安心して下さい。
対策をせずにリフトアップできる限界はジムニーJB23-6型以降(9型以降は特に注意)だと3インチアップ(75mm)程度、現行のジムニーJB64/74なら2インチアップ(50mm)程度からボーダーラインです。
ただ、タイヤサイズによっても高さが変わったり、車検場の検査員によっても見解が違い、全て断言できるわけではありませんので参考程度に覚えておいて下さい。
直前側方視界基準の対策
ジムニーで直前側方視界基準の対策が必要となるのは先述の通りジムニーJB23/43系の一部と現行ジムニーJB64/74の2つモデルです。
車体の形状・サイズが異なることから運転席からの視界も当然異なり、リフトアップ量によって対策方法も異なります。特に影響を受けるのはフロントの直前視界です。
ジムニーJB23の中でも9型以降(JB43では8型以降)はボンネット形状が高く変更され(保安基準に適合させるため)直前視界が見えづらくなっています(以下の画像参照)。

現行ジムニーJB64/74の場合はノーマル車高でも先代のジムニーJB23より全高が高く、ボンネット形状も関係して直前視界が確保しにくくなっています。
対策するに当たっては上記のようなジムニーのモデル・型式ごとの特徴を理解した上で対策方法を考えなければなりません。
ミラー・鏡
アナログな対策法ですがジムニーJB64/74の純正左ミラーには直前側方視界基準の内の「側方」部分の視界を確保するための補助ミラーが付いていて、左側方についてはかなりの視界を確保してくれています。
ジムニーJB23の場合でも左側方の視界を確保したいならJB64の左補助ミラーを流用することも可能です。

車内または車外にミラーを取り付けて直前側方視界を確保する方法もあります。DIYが得意な方なら数百円~のミラーで低コストに対策することができます。
ピラー上部にあるミラーで直前視界を確保
いずれの場合でも取付方法などが悪ければ、例え視界を確保していても車検に通らない場合があるので要注意です。以下のリンクは基準に適合しない取付方法を図付きで解説してくれています。
吸盤や粘着テープなどの簡単に脱着できるものはNGとされ、ネジやボルトなどでしっかり取付されていないといけません。
カメラ
実用性も含めて対策したいならカメラの方が便利に使えて有効な対策法です。実際のところミラーでの確認は小さくて見え辛かったりする場面が多々あり、実用性が低いのが現実です。
カメラであれば直前側方視界基準の対策のためだけでなく、視認性が高いため普段使いやオフロードでも活用することができます。
実用例で言うと見通しの悪い交差点では前方のフロントカメラを使って歩行者が飛び出してこないか確認できたり、オフロード走行時には左側方のカメラを使うことで荒れた林道でも安全にラインをトレースすることができます。
ミラーと同じようにカメラにも取付方法に要件がありますので要注意です。以下のリンクは基準に適合するカメラの取付方法が紹介されています。
参考:取付方法等に関する要件が変わります(PDF) – 自動車技術機構
取付方法に問題がなくても配線が露出していると車検で指摘されてしまいます。
ドライブレコーダーで代用
カメラを使って対策する場合はドライブレコーダーも立派な対策方法です。単に前方を写せば良いのではなく直前側方視界基準で問われる視界を確保することが必要なので設置場所や画角なども重要です。
ジムニーのリフトアップ量が4インチ~5インチ以上の場合だとドライブレコーダーでも視認できない可能性があるので、どうしても見えない時は前方のフロントカメラの設置が必要になります。
最後に
直前側方視界基準について取り上げてみましたが、現行ジムニーJB64/74系とジムニーJB23/43の一部はリフトアップ量によって、必ず対策が必要になることがわかってもらえたと思います。
対策方法については陸運局によって判断が異なるため思わぬポイントを指摘される場合もあります。
カメラで対策した場合だと映像を映し出すためのモニターがナビと併用されているとダメだったり、モニターサイズが小さすぎても指摘される可能性もあります。
確実に対策するなら事前に管轄の陸運局に確認しておくことで、スムーズに車検を進めることができます。ジムニーを合法的にカスタムするには細かな基準がある場合もあるので、よく調べてからのカスタムがオススメです!
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