ジムニーのオイル交換を自分でするなら知っておいた方がいいこと

ジムニーのオイル交換を自分でするなら知っておいた方がいいこと

ジムニーに限らずDIYメンテナンスの代表的な作業といえばオイル交換ではないでしょうか。

簡単な作業ではあるものの決められた交換時期やオイル量、規格・粘度などを守らなければいけません。

自分でジムニーのオイル交換をするにあたって知っておいたほうがいいことについてまとめてみました。

★2023年4月 「エンジンオイル以外にも交換しなければいけないオイル」 追加


ジムニーはオイル交換がやりやすいクルマ

初めて自分でオイル交換にチャレンジする方にとっては、少しハードルが高い作業と感じているかもしれません。

でも安心して下さい。ジムニーはオイル交換がやりやすいクルマなんです。なぜならそれはジムニーが車高が高い車だからです。

セダンやワゴンなどの乗用車は車体下に潜るスペースが狭く、オイルを抜き取る際にジャッキやスロープが必要になる場合があります。

でもジムニーなら車高が高いので車体下のスペースが広く、そのまま潜り込めるので作業性は良好です。

ジムニーの下周り
リフトアップ&大径タイヤ だと作業性はさらに高い

オイルの交換時期

交換の目安はジムニー(660cc 軽自動車)とジムニーシエラ(1300cc/1500cc 普通車)で異なります。

交換時期が2車種で異なる理由は、660ccの軽ジムニーに搭載されるターボエンジンのターボ装置が700℃以上の高温な状況下に置かれるためです。

以下、現行型のJB64ジムニーとJB74ジムニーシエラのオーナーズマニュアルより引用します。

  • ジムニーの場合、標準的な使用方法では、エンジンオイルは5,000kmごと、または6ヶ月ごとのどちらか早い方で交換し、エンジンオイルフィルターは10,000kmごとに交換してください。
  • ジムニーシエラの場合、標準的な使用方法ではエンジンオイルは15,000kmごと、または12ヶ月ごとのどちらか早い方で交換し、エンジンオイルフィルターは15,000kmごとに交換してください。
  • 厳しい条件(シビアコンディション)で使用した場合は、標準的な場合より早めの交換が必要です。

参照:ジムニーオンラインオーナーズマニュアル【スズキ公式】

この条件は歴代のジムニーにもほぼ共通しているため参考にできますが、ユーザーによってはエンジンを良好な状態を保つためにもっと短い走行距離で交換する場合も見受けられます。


エンジンオイルの規格・粘度

ジムニーに使用するエンジンオイルには決められた規格、そして粘度があります。

こちらも歴代ジムニーとほぼ変わりがないので現行型のJB64ジムニーとJB74ジムニーシエラのオーナーズマニュアルより引用します。

ジムニーのエンジンオイルの規格/粘度

参照:ジムニーオンラインオーナーズマニュアル【スズキ公式】

 

オイルの規格

表1はオイルの規格に対する表です。この表に記載されている規格のオイルならジムニー、ジムニーシエラのどちらに使用しても問題ありません。

付け加えるとオイルの規格が高いほど省燃費・耐久性などの性能に優れていると判断することができます。

この規格とは別にオイルのグレードを判断する基準がベースオイルの種類です。高性能を求めるなら「全合成油」のオイル。価格を優先するなら「鉱物油」ベースオイル。適度な性能でコスト面も抑えたいなら「部分合成油」のベースオイルを選ぶといいでしょう。

参考:エンジンオイルによくある鉱物油ってどういう意味?他のベースオイルもご紹介【イエローハット】

オイルの粘度

表2はオイルの粘度に対する表です。数値が高くなるほど粘度の高いオイルであると判断できます。

ターボエンジンのジムニーの指定粘度は5W-30のみで、旧型のジムニーでは10W-30が指定されているものもあります。

そしてちょっと悩んでしまうのが指定粘度が3種類もある自然吸気エンジンのジムニーシエラです。簡単なアドバイスにはなりますが夏場は粘度の高いオイルを選び、冬場は粘度の低いオイルを選びます。

また、燃費性能を重視したいなら画像右下のアドバイス通り0W-16の粘度がおすすめとなるのですが、旧型のジムニーシエラやジムニーワイドでは指定粘度に含まれていないので注意が必要です。

燃費性能よりもエンジンの保護を優先したい場合(過走行車や負荷の高い走行をする)には、粘度の高いオイルが推奨されます。


ジムニーのエンジンオイル量 一覧表

オイルの交換時期と規格・粘度を知った後はどれだけのオイル量が必要なのかも知っておかなければいけません。

歴代ジムニー・ジムニーシエラのメーカー指定のオイル量の一覧表を作成しましたので、オイル交換時に参考にしてみてください。

型式 エンジンオイル量
JA71 2.5
(2.8)
JA11
JA12
2.7
(2.9)
JA22 2.8
(3.0)
JB23
(4型まで)
2.8
(3.0)
JB23
(5型以降)
2.8
(3.0)
JB64 2.6
(2.8)
JB33 3.5
(3.7)
JB43 3.8
(4.0)
JB74 3.6
(3.8)

※単位:リットル
※エンジンオイル欄の下段カッコ内はオイルフィルター交換時


オイル交換を怠ると

クルマの調子が良ければオイル交換をついつい忘れてしまいがちですが、そのまま放ったらかしで走り続けるとオイルの劣化やオイル量の減少によって、エンジンの異音・振動が大きくなり故障へと繋がります。

オイル管理をしっかり行っていないエンジンはスラッジ(汚れカス)が堆積してしまい潤滑不良が起こり、オイル自体が循環できず最悪の場合エンジンが焼き付いて走行不能に陥る可能性があります。

エンジンオイル管理不足 -ピットクルー

参照:BMW エンジンオイルを交換しましょう【ピットクルー】

上の画像はオイル交換を怠ったことによりエンジン不動に陥った車両です。しかも新車から4年しか経っていない車両(BMW523i)です。

新しいクルマでもオイル管理を怠るとこのようにエンジン内部はヘドロ状のスラッジが溜まり、とても正常な働きができる状態ではなくなります。

場合よってはエンジンの載せ替えが必要になるケースもあり、高額な修理となる場合もあります。こまめにオイルを交換さえしておけば防ぐことが出来るトラブルなので無駄な出費を防ぐためにもオイル交換は重要です。


エンジンオイル以外にも交換しなければいけないオイル

ジムニーには、エンジンオイル以外にも交換する必要があるオイルがあります。

エンジンオイルの交換よりも認知度が低いのであまり意識されていませんが、走行とともにオイルの劣化が進むことには間違いないので適切なサイクルでの交換が必要となります。

ただ自分で交換する場合、どれもエンジンオイルの交換よりも作業難易度が高くなり普段使わないような工具なども必要になるため、初心者向きの作業とはいえません。あまり自信がないならプロに任せたほうが良いでしょう。

トランスミッションオイル

前進と後進を切り替える変速機の潤滑を行うオイルです。MT車とAT車で異なるオイルが使用されていて、MT車は一般的なギアオイルが使用されていますが、AT車は何かと注意点があります。ATF(オートマフルード)といわれる専用のオイルが必要となり、交換方法も特殊(圧送方式など)なため気軽に交換できる部分ではありません。また、交換方法によっては不具合が発生する事例もあることから要注意です。

◎AT車
 ・交換サイクル:4万キロ(シビアコンディション:3万キロ)
 ・指定オイル:ATF 3317
◎MT車
 ・交換サイクル:交換不要(シビアコンディション:7.5万キロ)
 ・指定オイル:75W

トランスファーオイル

2駆と4駆を切り替える副変速機の潤滑を行うオイルです。トランスファーの機構を持っているジムニーゆえのオイル交換ポイントです。トランスファーレバー下の車体中央から抜き取り・補充します。

◎交換サイクル:交換不要(シビアコンディション:7.5万キロ)
◎指定オイル:75W

デフオイル

左右輪の回転差を調整する差動装置の潤滑を行うオイルです。ジムニーには前後両方にデフ(正しくはデファレンシャル)があり、それぞれにデフオイルが必要です。左右輪の中心にあるホーシングの玉部分にデフが内蔵されていて、抜き取り・補充も玉部分から行います。

◎交換サイクル:4万キロ(シビアコンディション:2万キロ)
◎指定オイル:75W-85

ブレーキフルード

ブレーキのピストンやシリンダーの潤滑を行うオイルです。油脂類の中でもあまりオイルとして認識されていない部類かもしれません。ボンネットを開けてすぐのところに補充できるタンクはありますが、交換の際にはブレーキライン内にエアが噛むことは厳禁で(制動力が低下してしまうため)、もしエアが噛んでしまった場合「エア抜き」と呼ばれる作業が必要となってきます。また、ブレーキフルードは塗装面への攻撃性が強いためボディに付着しないよう取り扱いに注意が必要です。

◎交換サイクル:2年
◎指定オイル:DOT-3

※交換サイクル・指定オイルはジムニーJB64の取扱説明書およびメンテナンスノートを参照しています。


カスタムだけじゃなくメンテナンスも

どうしたらジムニーをカッコよくできるかな?と考えるカスタムも楽しいことに違いはありませんが、地味でもメンテナンスがしっかりできていることがカスタムの前提条件です。

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